- Q. 良い線というのはどのようなものでしょうか
- A. まずは筆をコントロールできている状態が大前提となります。これは臨書学習をしていれば自然と身につくものですが、最も難しいところといっても過言ではありません。臨書の際にこの線は直筆か側筆か、ねじりがあるか、露鋒か蔵鋒かといったところを見極め、適切に真似ていくことで、筆の穂先をコントロールする技術が身につくようになります。
よく言われるような、直筆が良く、側筆は悪いというようなことはありません。王羲之も側筆を多用していますし、貫名菘翁などは側筆の名手です。しかし悪い側筆というものは確かに存在して、筆が紙に負けている、いわゆる「お習字」によく見られる線は悪いと思っています。直筆で書いた線に致命的な悪いものは無いため、直筆が良く、側筆が悪いといったような言い方になったのでしょう。
- Q. 作品でよく使うような線はどのようなものですか
- A. 直筆、側筆織り交ぜて、なるべく立体感を持たせるようにしていますが、一番信頼している線は「ねじった」線です。やはりねじりのある線は作品に深みを与えてくれますし、基本的に悪い線になる理屈がありません。ねじりのある線を習得するには、やはり王羲之の十七帖を学ぶのが良いでしょう。あの十七帖の強さはねじりに由来するものだと考えています。
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